大きないびきをかいて熟睡している、と思ったら大間違い。
ひどいいびきは、睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、治療が必要な場合があります。専門の医師に相談してみましょう。
いびきは睡眠中の異常呼吸音と定義されています。
普通、鼻からノドの間で発生する音を指しますが、音源についての決まりはありません。
日中はなんの症状も示さないことが多いため、最近まで治療意識が希薄でした。
一方、睡眠時無呼吸症候群に対する関心が、ここ10年ほどの間に高まってきました。
いびきは睡眠時無呼吸症候群の前段階であると認識されてきているので、今後は皆さんにもいびきに関心を持っていただきたいと思います。
いびきは睡眠中に鼻・ノドの空間が狭くなり、そこを通過する空気の流れが、異常な音を発生するものです。
眠ると全身の筋肉が弛緩します。人は睡眠時、仰向けになることが多いので、ノドを構成する組織が、重力の影響を受けやすく、下根(ノドの奥、ベロの付け根)や軟口蓋(ノドちんこを含む上顎の軟らかい部分)が沈下します。
このため、舌根部では侠窄型のいびき、軟口蓋では振動型のいびきを生じます。
誰でもがいびきをかく訳ではなく、いびきをかく人には、何らかの原因があるものと考えられます。その原因は、全身的なものと局所的なものに分けられます。
全身的なものとしては、まず肥満が挙げられます。首の脂肪が多いので、横になると舌根の落ち込みが強く、ノドが狭くなってしまいます。全身の筋緊張低下をもたらす慢性的運動不足、過度の飲酒、ある種の薬物使用、そして疲労でも引き起こされます。
その他、むくみや筋肉のゆるみなどを生じる病気で起こっていることもあります。
局所的な原因としては、まず鼻づまりを起こす病気があります。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症やアデノイド(鼻とノドの間のリンパ組織)肥大などに注意が必要です。
次にノドの病気を考えます。
これはノドの奥の空間を狭くするもので、口蓋垂(いわゆるノドちんこ)が長すぎるもの、扁桃腺肥大、あごの骨の発育不全などが拳げられます。